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2026.09.02
【コラム】インボイス制度は2026年10月にどう変わる?仕入税額控除・2割特例・3割特例を解説

 こんにちは!さいたま経理代行センターです。

 「2026年10月からインボイス制度が変わると聞いたけれど、自社にはどのような影響があるのだろう」と疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。2023年10月に始まったインボイス制度は、2026年10月に大きな節目を迎えます。令和8年度税制改正では、免税事業者との取引に関する経過措置が見直され、経理業務や消費税の計算方法にも影響があります。この記事では、2026年10月から変わるインボイス制度の内容、経理担当者が押さえるべきポイント、会社が準備しておくべきことを分かりやすく解説します。「インボイス制度への対応に不安がある」「経理業務を効率化したい」とお考えの方は、ぜひ最後までご覧ください。

 

2026年10月からインボイス制度は何が変わる?

 2026年10月は、インボイス制度における経過措置の見直しが始まるタイミングです。制度開始当初から設けられていた負担軽減措置が段階的に変更されるため、多くの企業で消費税計算や経理処理への影響が発生します。

 2026年10月のインボイス制度改正では、特に次の3点を理解しておきましょう。

① 免税事業者からの仕入税額控除割合が変更される

 2023年10月から2026年9月までは、免税事業者からの課税仕入れについて消費税相当額の80%を控除できる経過措置が設けられていました。
 令和8年度税制改正後は、2026年10月から控除割合が70%へ変更されます。さらに2028年10月から50%、2030年10月から30%へと段階的に縮小され、2031年10月以降は経過措置が終了する予定です。

② 経過措置が延長された

 当初の制度では、2026年10月から控除割合が50%へ下がる予定でした。しかし、令和8年度税制改正により、70%控除の期間が新設され、制度終了時期も延長されました。

③ 会計ソフトや経理フローの見直しが必要になる

 控除割合が変わると、消費税計算の設定も変更しなければなりません。
 クラウド会計ソフトを利用している場合でも、自動更新されるかどうかを事前に確認することが重要です。手動設定が必要なケースでは、2026年10月1日までに設定変更を完了させる必要があります。

2026年10月から変更

インボイス制度の3つのポイント
控除割合の変更
免税事業者等からの仕入れに係る控除割合が、80%から70%へ変わります。
経過措置の延長
控除割合を段階的に縮小しながら、経過措置の終了時期が延長されます。
経理設定の見直し
会計ソフトの税区分や請求書確認ルールを、変更日に合わせて見直します。
経理担当者は「取引先確認・影響額の試算・ソフト設定」を早めに進めましょう

 

免税事業者からの仕入税額控除が変わる

 2026年10月の改正で最も影響が大きいポイントは、免税事業者からの仕入れに対する仕入税額控除の取扱いです。
 建設業、運送業、士業、フリーランスへの業務委託など、免税事業者との取引が多い会社では、消費税の納税額が変わる可能性があります。そのため、経理担当者は自社の取引状況を事前に確認しておくことが大切です。

2026年9月までとの違い

 2026年9月30日までは、免税事業者からの仕入れについて消費税相当額の80%を控除できます。
 2026年10月1日以降は、控除割合が70%へ変更されます。制度開始当初より負担は増えますが、令和8年度税制改正によって当初予定より緩やかな見直しとなりました。

控除割合が80%から70%になると?
消費税相当額が年間50万円の場合
2026年9月まで
50万円 × 80%
40万円控除
2026年10月から
50万円 × 70%
35万円控除
控除できる金額の差
年間5万円減少
控除額の減少により、消費税の納税額が増える可能性があります。

控除割合はどう変わるのか

 令和8年度税制改正後の経過措置は、次のスケジュールで段階的に変更されます。
 控除割合は数年ごとに変わるため、毎回制度改正を確認する必要があります。特に会計ソフトの税区分や経理マニュアルを更新しておくことで、計算ミスを防ぐことができます。

免税事業者等からの仕入税額控除
経過措置の変更スケジュール
2023年10月~
2026年9月
80%
控除可能
2026年10月~
2028年9月
70%
今回の変更
2028年10月~
2029年9月
50%
控除可能
2029年10月~
2030年9月
30%
控除可能
2030年10月
以降
0%
経過措置終了
控除割合は一度に0%になるのではなく、70%・50%・30%の順で段階的に縮小されます。

経理担当者への影響

 経理担当者は、請求書の受領だけではなく、取引先がインボイス発行事業者であるかどうかも継続的に確認する必要があります。
 免税事業者との取引が多い会社では、消費税の納税額が増える可能性があります。そのため、取引先ごとの支払額を一覧化し、影響額を試算しておくことをおすすめします。

ここまでのコラムの内容について、さらに詳しく質問したい方はこちらから。

 

2割特例・3割特例で何が変わる?

 2026年10月からは、買い手側の仕入税額控除だけではなく、売り手側である小規模事業者向けの負担軽減措置にも変更があります。
 特に、インボイス制度開始時に導入された「2割特例」は適用期限を迎えます。令和8年度税制改正では、個人事業者を対象とした新たな「3割特例」が創設される予定です。一方で、法人は2割特例終了後、本則課税または簡易課税で申告することになります。

2割特例とは

 2割特例とは、インボイス制度の開始に伴って免税事業者から課税事業者になった小規模事業者の負担を軽減するために設けられた制度です。
 通常の本則課税では、売上に係る消費税額から仕入れに係る消費税額を差し引いて納税額を計算します。しかし、2割特例を利用すると、納付する消費税額を「売上に係る消費税額の20%」として計算できます。

 例えば、年間売上が1,100万円(税込)の場合、売上に係る消費税額が100万円であれば、納付する消費税額は20万円となります。本則課税よりも計算が簡単になり、多くの小規模事業者が利用している制度です。

2026年10月以降の取扱い

 2割特例は、2026年9月30日を含む課税期間で終了します。
 法人は、2割特例終了後、本則課税または簡易課税へ移行します。一方、令和8年度税制改正では、個人事業者に限り、負担を急激に増やさないための「3割特例」が設けられる予定です。

2割特例終了後の申告方法
2割特例の適用期間が終了
個人事業者
一定の要件を満たす
3割特例
令和9年分・令和10年分
法人・対象外の事業者
3割特例は利用不可
一般課税
簡易課税
※3割特例には、個人事業者であることや基準期間の課税売上高が1,000万円以下であることなどの要件があります。

70%控除・2割特例・3割特例の違いとは?

 70%控除・2割特例・3割特例は、インボイス制度に関する負担軽減措置ですが、それぞれ対象となる事業者や制度の目的が異なります。
 制度を混同すると、消費税の計算や申告方法を誤る原因になるため、違いを整理して確認しましょう。

混同しやすい3つの制度
誰の負担を軽くする制度かで区別しましょう
制度 対象者 制度の内容 対象時期
70%控除 買い手側 免税事業者等への支払いに含まれる消費税相当額の70%を控除 2026年10月~
2028年9月
2割特例 売り手側 納付税額を売上税額の20%として計算 2割特例の対象期間まで
3割特例 一定の個人事業者 納付税額を売上税額の30%として計算 令和9年分・
令和10年分
ポイント: 70%控除は買い手側の制度です。2割特例と3割特例は、インボイス登録をきっかけに課税事業者となった売り手側の納税負担を軽減する制度です。

 

会社が今すぐ確認すべきチェックポイント5選

 2026年10月の制度変更に備えるためには、経理担当者だけでなく経営者や営業担当者も含めて準備を進めることが重要です。
 次の5つのポイントを確認しておくことで、制度変更後もスムーズに経理業務を進めることができます。

2026年10月までの準備リスト
経理担当者が確認したい5項目
1 取引先確認:免税事業者等との取引金額を一覧化する
2 請求書管理:登録番号と必要事項の確認ルールを整える
3 ソフト設定:70%控除に対応した税区分を確認する
4 税額試算:控除額の減少による納税額への影響を計算する
5 社内共有:経営者・購買担当者・営業担当者と対応方針を決める
2026年9月までに準備を完了させましょう

① 免税事業者との取引がどのくらいあるか確認する

 まずは、自社が免税事業者とどの程度取引しているかを確認しましょう。
 年間の取引金額が大きい場合は、控除割合の変更によって納税額が増える可能性があります。取引先ごとの年間支払額を一覧にまとめておくと、影響額を把握しやすくなります。

② 請求書の管理方法を見直す

 インボイスの登録番号や請求書の保存状況を改めて確認しましょう。
 電子帳簿保存法への対応も含めて、紙と電子データの管理ルールを統一しておくことで、税務調査にも対応しやすくなります。

③ 会計ソフトの設定を確認する

 クラウド会計ソフトや販売管理ソフトの税区分が2026年10月の制度変更に対応しているか確認しましょう。
 アップデートが必要な場合は、制度開始前に設定変更を済ませておくことで、消費税計算ミスを防ぐことができます。

④ 消費税額を試算する

 制度変更前に、2026年10月以降の消費税額を試算しておきましょう。
 納税額が増えることが分かれば、資金繰りや価格設定の見直しを早めに検討できます。

⑤ 取引先への対応方針を決める

 免税事業者との取引を継続する場合は、契約内容や価格について事前に相談しておくことが大切です。
 制度変更後に慌てて交渉すると、取引先との信頼関係に影響する可能性があります。経営者と経理担当者が連携し、早めに対応方針を決めておきましょう。

 

経理担当者が注意したい実務上のポイント

 2026年10月のインボイス制度改正では、仕入税額控除の経過措置や特例制度が変更されます。そのため、経理担当者は制度の内容を理解するだけではなく、日々の経理業務へ確実に反映させることが重要です。
 請求書の確認方法や会計ソフトの設定、消費税計算のルールを見直しておくことで、申告ミスや税務調査時の指摘を防ぐことにつながります。

インボイス受領後の確認フロー
請求書・領収書を受領
登録番号・税率・消費税額・必要事項を確認
適格請求書発行事業者ですか?
はい
通常の仕入税額控除として処理
いいえ
経過措置の税区分で処理
2026年10月から70%
月次決算で消費税集計と税区分を確認
証憑を法令に沿って保存

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よくある質問(Q&A)

 Q1. 2026年10月からすべての会社が影響を受けますか?
 A. 免税事業者との取引がある会社は影響を受ける可能性があります。

 特に建設業、運送業、IT業、士業、フリーランスへの外注が多い会社では、仕入税額控除額が変わるため、納税額が増える可能性があります。まずは取引先の状況を確認しましょう。

   Q2. 免税事業者との取引はやめる必要がありますか?
   A. 必ずしも取引をやめる必要はありません。

   制度改正後も経過措置が設けられているため、一定割合の仕入税額控除を受けることができます。ただし、取引額が大きい場合は、会社全体の消費税負担を試算したうえで判断することが重要です。

 Q3. 2割特例と70%控除は同じ制度ですか?
 A. 同じ制度ではありません。

 2割特例(改正後は個人事業者向け3割特例)は、売り手側の納税負担を軽減する制度です。一方、70%控除は買い手側が仕入税額控除を受けるための経過措置です。対象者も内容も異なるため、混同しないよう注意しましょう。

 

まとめ

 2026年10月からのインボイス制度変更は、経理担当者だけに関係する話ではありません。仕入税額控除の減少は、会社の消費税負担や資金繰り、取引先との契約にも影響する可能性があります。制度が変わってから慌てないためにも、免税事業者等との取引がどのくらいあるのか、一度整理してみませんか。取引先ごとの支払額を一覧にすると、控除額の減少による影響を把握しやすくなりますよ。

 さいたま経理代行センターでは、記帳代行サービスはもちろんのこと、給与計算代行、年末調整等の関連業務を含む給与計算業務に係るトータルサポートを承っております。社会保険料、源泉徴収税の控除を含む給与計算から、給与明細の発行、給与振込まで各種代行業務や、クラウド給与・勤怠ソフト導入のご提案などもさせていただいております。気になる方は是非、お気軽にご連絡下さい。

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