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2026.04.28
【コラム】マイカー通勤手当の非課税限度額はどう変わる?食事支給の課税ルールも解説【令和8年4月以後】

 こんにちは!さいたま経理代行センターです。

 令和8年4月1日以後は、マイカー通勤等の非課税限度額の改正と、食事の現物支給に係る非課税限度額の引上げが適用されるため、これまでの運用をそのまま続けると、課税・非課税の判定にズレが生じるおそれがあります。 この記事では、マイカー通勤手当の見直し内容、食事支給の課税ルール、実務で確認したいポイントを分かりやすく整理します。給与計算のミスを防ぎたい会社様、福利厚生の見直しを考えている会社様はぜひ最後まで読んでみてください。

 

令和8年4月から通勤手当と食事支給のルールが変わる

 国税庁は、通勤のために自動車や自転車などの交通用具を使用している人に支給する通勤手当の非課税限度額を、令和8年4月1日以後に支払われるべき通勤手当から改正すると案内しています。あわせて、食事の現物支給については、会社負担額の非課税限度額が月額7,500円に引き上げられ、同じく令和8年4月1日以後に支給する食事から適用されます。

マイカー通勤等の非課税限度額はどう変わるのか(令和8年4月以後)

 令和8年4月からは、特に長距離のマイカー通勤者に対する非課税限度額が見直されます。改正前と改正後を比較すると、65km以上の区分で差が大きくなっていることが分かります。

片道の通勤距離 改正前 改正後 差額
2km未満 全額課税 全額課税
2km以上10km未満 4,200円 4,200円 ±0円
10km以上15km未満 7,300円 7,300円 ±0円
15km以上25km未満 13,500円 13,500円 ±0円
25km以上35km未満 19,700円 19,700円 ±0円
35km以上45km未満 25,900円 25,900円 ±0円
45km以上55km未満 32,300円 32,300円 ±0円
55km以上65km未満 38,700円 38,700円 ±0円
65km以上75km未満 38,700円 45,700円 +7,000円
75km以上85km未満 38,700円 52,700円 +14,000円
85km以上95km未満 38,700円 59,600円 +20,900円
95km以上 38,700円 66,400円 +27,700円

※ 国税庁公表の改正内容をもとに作成。
※ 改正前は「55km以上」が一律31,600円、改正後は55km以上が細分化されています。

 また、一定の要件を満たす駐車場等を利用する者の通勤手当について、通勤距離の区分に応じた非課税限度額に1か月当たりのその駐車場等の料金相当額(上限5,000円)が加算されることとされました。

食事支給の非課税限度額はどう変わるのか

■ 改正前
従業員が食事価額の
50%以上を負担し、
会社負担額が
月額3,500円以下なら非課税
■ 改正後(令和8年4月1日以後)
従業員が食事価額の
50%以上を負担し、
会社負担額が
月額7,500円以下なら非課税
ポイント
・非課税になるには、従業員負担50%以上の条件が必要です。
・会社負担額の上限は、3,500円 → 7,500円へ引上げです。
現金支給の食事補助は、通常は給与課税に注意が必要です。

ここまでのコラムの内容について、さらに詳しく質問したい方はこちらから。

 

マイカー通勤手当の非課税限度額を見直すときの実務ポイント

 マイカー通勤手当は、単にガソリン代の補填額を決めれば足りるわけではありません。給与計算では、片道通勤距離の判定、支給額の設定、課税・非課税区分の切り分けまでを一貫して整える必要があります。

片道距離の確認方法を会社で統一する

 片道距離の確認方法が担当者ごとに異なると、同じような通勤条件でも支給額に差が出ます。
 Googleマップなどで合理的な通勤経路を確認し、通勤申請書に距離、確認日、確認者を記録しておく方法が実務的です。

非課税限度額を超える部分は給与課税になる

 会社が支給する通勤手当の全額が非課税になるわけではありません。
 非課税限度額を超えた部分は、毎月の給与として源泉徴収の対象になります。たとえば、片道50kmの従業員に月35,000円を支給している場合、国税庁の区分では「45km以上55km未満」に該当するため、非課税限度額は32,300円です。 そのため、差額2,700円は給与課税の対象になります。。給与ソフトで「通勤手当(非課税)」と「通勤手当(課税)」を分けて登録していない会社では、ここで処理漏れが起こりやすくなります。 

混合通勤と定期代支給も見落とさない

 国税庁は、交通機関や有料道路を利用するほか、交通用具も使用している人に支給する通勤手当について、合理的な運賃等の額と交通用具使用者の非課税限度額との合計額を、月15万円を上限として非課税としています。最寄駅まで車、駅から会社まで電車という通勤形態では、このルールの確認が必要です。

 

従業員の食事支給に係る課税関係|さいたま 経理代行が整理する判断基準

 食事支給は福利厚生として取り入れやすい一方、支給方法によって税務上の取扱いが大きく変わります。

非課税になるのは「現物支給」が基本

 国税庁は、契約業者から購入した弁当を提供する場合や、社員食堂で食事を提供する場合などを「食事の支給」として示しています。
 従業員が価額の50%以上を負担し、会社負担額が消費税等を除いて月額7,500円以下であれば、原則として給与課税は不要です。反対に、食費の補助を現金で支給する場合は、給与とみなされ、所得税の課税対象になります。

食券でも条件を満たせば非課税にできる

 国税庁のFAQでは、電子的なものを含む食券についても、一定の条件を満たせば食事そのものの支給と同視できると示しています。
 具体的には、従業員本人の食事に限定されること、利用先や利用目的が制限されていること、釣銭が出ないこと、1回当たりの利用額が一般的な昼食等として相当な範囲であること、利用可能期間が設けられていることなどがポイントです。在宅勤務者向けの食券制度を考えている会社では、仕組みまで設計して初めて非課税運用がしやすくなります。

月額7,500円を超えたらどうなるか

 注意したいのは、会社負担額が月額7,500円を超えた場合の扱いです。
 国税庁のFAQでは、食券と弁当の両方を支給しているケースについて、会社負担額が月額7,500円を超えた場合には、その月中に支給した食券および弁当に係る会社負担額の全額を給与として課税する必要があると示しています。限度額を少し超えた部分だけが課税になるのではなく、会社負担額の全額が給与課税になる点は、実務上の重要ポイントです。 

 

通勤手当と食事支給の課税・非課税フロー

 制度を理解していても、毎月の給与計算の場面では判断に迷うことがあります。そこで、実務で使いやすい形に流れを整理します。

通勤手当・食事支給の課税判定ポイント
■ マイカー通勤手当
通勤方法を確認

片道通勤距離を確認

非課税限度額と照合

超過額は給与課税
■ 食事支給
現物支給か確認

従業員が50%以上負担しているか確認

会社負担額が月額7,500円以下か確認

条件を満たせば非課税

 

通勤手当と食事支給のよくある質問

 Q1. ガソリン代が上がったので、マイカー通勤手当を一律増額しても問題ありませんか。
 A. 一律増額自体は可能ですが、非課税になるとは限りません。片道距離ごとの非課税限度額を超える部分は給与課税になります。まずは従業員ごとの通勤距離を確認し、距離区分に沿って支給額を設計する方法が安全です。

   Q2. 毎月の昼食代を5,000円、現金で補助しています。非課税にできますか。
   A. 現金による食費補助は、国税庁の取扱いでは給与として課税対象です。非課税を検討するなら、弁当の現物支給や条件を満たす食券制度への見直しが必要です。

 Q3. 夜勤者に夜食代を支給する場合はどうなりますか。
 A. 深夜勤務に伴う夜食の現物支給に代えて支給する金銭については、国税庁の通達改正情報で1回当たりの非課税限度額が650円以下に引き上げられる案内があります。通常の昼食補助とは別論点なので、夜勤手当や食事補助と混同しないように整理が必要です。

 

会社が今すぐ進めたい実務対応

 制度改正に対応するためには、ルールを知るだけでは足りません。給与計算の現場に落とし込むことが必要です。

通勤手当規程と食事支給ルールを文書化する

 まず行いたいのは、支給ルールの明文化です。
 通勤手当は、対象者、通勤経路の確認方法、距離区分、見直し時期を定めます。食事支給は、現物支給か食券か、従業員負担額はいくらか、誰が利用できるか、どのような日に支給するかまで整理します。文書化すると、担当者交代があっても運用がぶれにくくなります。

給与ソフトの設定を見直す

 実務では、制度だけ見直してソフト設定が旧ルールのまま残ることがあります。
 通勤手当の課税・非課税区分、食事補助の給与項目、福利厚生費との連携を確認しないと、毎月の処理にズレが出ます。年末調整前ではなく、月次給与の段階で整えることが大切です。

判断に迷う部分は早めに専門家へ相談する

 通勤手当と食事支給は、税務・給与計算・社内規程が交わる論点です。
 現場では、経理担当者だけでなく、総務担当者や現場責任者の認識もそろえる必要があります。制度を続けながら安全に運用したい会社ほど、早い段階で税理士や給与計算の専門家に確認する方が結果的に負担を抑えやすくなります。

給与・勤怠代行サポートについて詳しくはコチラ

 

まとめ

 通勤手当や食事支給は、従業員の働きやすさを考えて導入されている大切な制度です。しかし、ほんの少しの運用の違いで、課税対象になってしまうこともあります。「今のやり方で大丈夫だろうか」と感じたタイミングが、見直しのベストな機会です。制度をやめる必要はありません。ルールに沿って整えることで、安心して続けることができます。もし、通勤手当の非課税限度額の判断や、食事支給の取り扱いで迷うことがあれば、ひとりで抱え込む必要はありません。

 さいたま経理代行センターでは、給与計算代行サービスはもちろんのこと、年末調整等の関連業務を含む給与計算業務に係るトータルサポートを承っております。社会保険料、源泉徴収税の控除を含む給与計算から、給与明細の発行、給与振込まで各種代行業務や、クラウド給与・勤怠ソフト導入のご提案などもさせていただいております。気になる方は是非、お気軽にご連絡下さい。

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