【コラム】事業承継が急増する時代の経営課題

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経営者の高齢化とともに増加する事業承継ニーズ

　日本では、2025年までに中小企業経営者の約6割が70歳を超えるとされています。
　特に埼玉県内の製造業・建設業・運輸業など、地域密着型の企業では、後継者の確保が深刻な問題になりつつあります。

「後継者がいない」が最大の経営リスクに

　2023年の帝国データバンクの調査では、「後継者不在」を理由とした中小企業の廃業数が、年間5万社を超える勢いで増加しています。
　これは、企業の黒字・赤字に関係なく、引き継ぐ人材がいないというだけで消えていく会社が多いことを示しています。

埼玉県における事業承継の傾向

　埼玉県は、都心とのアクセスが良好で中小企業数も多く、特に「家族経営」の企業が多い傾向にあります。
　また、親族内承継が難航するケースが目立ちます。こうしたケースでは、事業承継と相続税の問題が同時に発生するため、経営と資産の両面からの対応が不可欠です。

事業承継が進まない理由とそのリスク

　企業が事業承継を先延ばしにする主な理由と、それに伴うリスクを解説します。

　1. 自社株の評価が高すぎて相続税負担が大きい
　中小企業の多くは非上場であるにも関わらず、利益や資産が積み上がっていると株式評価が高騰します。
　特に後継者が家族である場合、その株式を相続または贈与する際に多額の税負担が生じることがあり、企業の財務に深刻な影響を与えかねません。

　2. 後継者の選定や育成に時間がかかる
　経営者のスキルやノウハウは、一朝一夕に引き継げるものではありません。
　親族内承継・役員承継・社外M&Aなど、選択肢が多いからこそ「決断できない」まま時間だけが過ぎてしまうというケースが非常に多く見受けられます。

　3. 承継後の経営が不安定になるリスク
　引き継いだ後継者が経営に慣れるまでの間、財務や人事、取引先対応などに混乱が生じやすくなります。
　特に会計や経理部門が属人的になっている企業では、業務がストップしてしまうリスクもあります。

企業が今からできる事業承継の具体的な対策

　経営者の高齢化が進む中、今こそ企業として「早めの承継計画」を立てることが求められます。

自社株評価の見直しと納税猶予制度の活用

　事業承継税制では、一定の条件を満たすことで贈与税・相続税の納税が猶予され、将来的に免除される制度もあります。
　たとえば、「特例事業承継税制」では、2027年12月末までに計画を提出し認定されれば、100％の株式に対して納税猶予が適用されます。

　この制度を活用するには、自社株評価や役員構成、株主構成の整理が不可欠であり、税理士とともに事前準備を進めることが大切です。

分割承継（段階的な贈与）による負担軽減

　一度に多額の贈与を行うと、贈与税負担が重くなります。
　しかし、年ごとに少しずつ株式を贈与する「分割承継」を活用すれば、贈与税の非課税枠を有効に使いながら引き継ぐことができます。

　また、後継者に徐々に責任と経営判断を委ねていけるため、組織内のスムーズな移行が可能になります。

第三者承継（M&A）という選択肢も視野に

　後継者が社内にいない場合、M&Aによる第三者承継も有効な手段です。
　事業の価値を高く評価してくれる企業に引き継げば、従業員の雇用や取引先との関係も維持しながら事業継続が可能になります。

　M&Aは専門家のサポートを受けることで、適切な相手先の選定や契約条件の調整を円滑に進められます。
　当センターでも、経理データの整備や財務情報の透明化など、M&Aに向けた準備支援を行っています。

経理代行を活用して事業承継準備を効率化する

　事業承継をスムーズに進めるためには、社内の財務・会計情報が正確かつタイムリーに整っていることが必要です。
　しかし、経理業務が属人化していたり、手作業で行っていたりする企業では、これが大きな障壁になります。

経理代行が事業承継に与える3つのメリット

　1. 財務の透明性が高まり、株式評価が明確になる
　経理代行によって仕訳・帳簿・試算表が正確に整備されると、自社株の評価額の根拠が明確になります。税理士やM&A仲介者も対応しやすくなります。

　2. 会計データが整理され、承継時のトラブルを回避できる
　属人化した業務をアウトソース化し、第三者でも理解できる帳簿体制を構築できます。後継者がスムーズに業務を引き継げます。

　3. 日常業務の効率化により、承継計画に集中できる
　経理代行により、月次決算・記帳・請求処理などの時間が削減され、経営者が事業承継の検討や育成に注力できる体制が整います。

まとめ

　事業承継は、早めの準備こそが成功のカギです。今「なんとなく不安だな」と感じている方こそ、このタイミングで一歩を踏み出す絶好のチャンスかもしれません。帳簿の整備や経理業務の属人化解消は、将来の承継をスムーズにし、会社の信頼性も高めてくれます。私たち「さいたま経理代行センター」は、そんな企業の “次のステージ” を一緒に考えるパートナーです。

　さいたま経理代行センターでは、給与計算代行サービスはもちろんのこと、年末調整等の関連業務に係るトータルサポートを承っております。社会保険料、源泉徴収税の控除を含む給与計算から、給与明細の発行、給与振込まで各種代行業務や、クラウド給与・勤怠ソフト導入のご提案などもさせていただいております。気になる方は是非、お気軽にご連絡下さい。

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