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2025.12.17
【コラム】お歳暮の勘定科目は交際費?福利厚生費?迷いやすい贈答品の正しい仕訳と節税ポイント

 こんにちは!さいたま経理代行センターです。

 お歳暮の処理について、前年と同じ処理をしているものの、本当に税務上問題がないのか不安に感じている方も多いのではないでしょうか。 本記事では、お歳暮をはじめとした贈答品について、交際費と福利厚生費の正しい判断基準、具体的な仕訳例、税務調査で指摘されやすいポイント、さらに節税につなげる実務のコツまでを分かりやすく解説します。年末の経理業務をスムーズに進めたい経理担当者の方は、ぜひ最後まで読んでみてください。

 

お歳暮と交際費・福利厚生費の基本ルール

 結論から述べると、お歳暮は原則として交際費に該当します。
 なぜなら、お歳暮は取引先との関係維持や信頼構築を目的とした支出だからです。法人税法では、業務に関連する接待や贈答は交際費として扱われます。ただし、贈る相手や配布方法によっては福利厚生費として処理できるケースもあります。経理担当者は「誰に」「何の目的で」「どのように」支出したのかを明確に説明できる状態にしておく必要があります。

 

お歳暮が交際費になるケース

 取引先や外部関係者に贈るお歳暮は、基本的に交際費として処理します。
 交際費は損金算入に制限があるため、年末に金額が膨らみやすい点が特徴です。特に中小企業では、年間800万円まで損金算入できる特例がありますが、管理が甘いと簡単に上限に達します。

取引先向けお歳暮と交際費の具体例

 例えば、1社あたり5,000円のお歳暮を50社に贈った場合、合計は25万円になります。
 12月の交際費が年間交際費の約3割を占めるケースもあり、年末前に交際費の残額を把握していないと、想定外に損金不算入が増えるリスクがあります。

 

お歳暮が福利厚生費になるケース

 お歳暮であっても、全従業員を対象に公平に配布される場合は福利厚生費として処理できます。
 福利厚生費は原則として全額損金算入が可能なため、節税効果が高い点が特徴です。ただし、条件を満たさない場合は交際費や給与として扱われる可能性があります。

福利厚生費として認められる条件

 福利厚生費として認められるためには、全従業員が対象であること、社会通念上相当な金額であること、現物支給であることが重要です。
 実務では、1人あたり3,000円〜5,000円程度の食品ギフトであれば問題になりにくい傾向があります。一方で、商品券やギフトカードは給与扱いとなり、源泉徴収が必要になるケースがあります。

お歳暮の仕訳判断フロー

Q
贈る相手は誰か?
「社外」か「社内」かで勘定科目が大きく変わります。

取引先・社外関係者に贈る
→ 原則:交際費
関係維持・取引円滑化を目的とする贈答は、税務上「交際費」になりやすいです。

自社の従業員に配布する

社内配布の判断ポイント
全従業員に一律で配布(公平)
→ 福利厚生費
社会通念上の金額(例:1人あたり3,000〜5,000円程度)かどうかも合わせて確認します。
役員・特定社員だけに配布(偏り)
→ 交際費または給与(要注意)
福利厚生費として認められにくく、給与課税・源泉徴収が必要になる場合があります。

※ 実務では「贈答先(配布対象)」「目的」「金額」「証憑(領収書・請求書)」をセットで残すと、税務調査でも説明しやすくなります。

ここまでのコラムの内容について、さらに詳しく質問したい方はこちらから。

 

お歳暮の仕訳例と消費税の注意点

 仕訳を正しく行うことで、税務調査時の説明がスムーズになります。勘定科目の選択だけでなく、証憑の管理も重要です。

仕訳例(交際費・福利厚生費)

 取引先に10,000円のお歳暮を贈った場合は「交際費/現金 10,000円」と仕訳します。
 従業員全員に30,000円分の食品を配布した場合は「福利厚生費/現金 30,000円」と処理します。
 インボイス制度導入後は、適格請求書の有無も必ず確認してください。

 

Q&A|お歳暮と経理処理でよくある質問

 Q1. お中元とお歳暮で処理は変わりますか?
 お中元とお歳暮で税務上の扱いは変わりません。どちらも贈答品として、交際費または福利厚生費として判断します。

   Q2. 役員だけにお歳暮を渡した場合はどうなりますか?
   役員のみが対象の場合は福利厚生費には該当しません。交際費または役員給与として扱われる可能性があります。

 Q3. 税務調査で必ず見られますか?
 お歳暮は税務調査で確認されやすい項目です。特に金額が大きい場合や毎年継続している場合は注意が必要です。

 

【簡易シミュレーション】経理代行を使った場合の負担軽減

 年末のお歳暮処理に関する確認・仕訳・証憑整理に、1社あたり年間5〜10時間かかるケースがあります。
 時給2,000円換算でも、年間1万〜2万円の人件費が発生します。経理代行を利用することで、判断ミスの防止と工数削減の両立が可能になります。

記帳代行サポートについて詳しくはコチラ

 

まとめ

 お歳暮の仕訳は、毎年の慣習で何となく処理してしまいがちですが、「誰に・何の目的で贈ったのか」を整理するだけで判断はぐっと楽になります。交際費か福利厚生費かを正しく区分できれば、税務調査への不安も減り、無理のない節税にもつながります。年末の忙しい時期こそ、一度立ち止まって処理を見直してみてください。判断に迷ったまま進めるより、専門家に確認することで、気持ちにも余裕が生まれます。

 さいたま経理代行センターでは、給与計算代行サービスはもちろんのこと、年末調整等の関連業務を含む給与計算業務に係るトータルサポートを承っております。社会保険料、源泉徴収税の控除を含む給与計算から、給与明細の発行、給与振込まで各種代行業務や、クラウド給与・勤怠ソフト導入のご提案などもさせていただいております。気になる方は是非、お気軽にご連絡下さい。

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